新潟から新宿へWILLERの2+2列シート・リラックスで(車内篇)

経済的な位置づけながら、フード、大胆なチルト機能、など個性的な工夫をいくつも凝らしているWILLERの”リラックス”という種類のシート。
多様な座席がある同社のバスのなかで運行本数も多いのがこのタイプです。

新潟から池袋を経て新宿までの移動、その前後の発着にまつわる補足的な説明、など(客室内のこと以外の)一連の叙述は前回のエントリをどうぞ(→参照)。

通路の左右に2列ずつの4列シートという(高速バスや観光バスで主流の)オーソドックスな配置です。

フード(キャノピー)があるのがWILLER(ウィラー)のこのシートの大きな特徴のひとつ。
(カノピーとWILLERでは呼称しています。cameraはカメラかキャメラか、Canonはカノンかキヤノンか、という表記の揺れの問題です。)
旅客輸送を担う他の会社も採用すればいいのに、どうして追随しないんだろう?と思って調べるとこのシート、WILLER ALLIANCEと、開発した天龍工業によって意匠が出願され、’14年に登録されているんですね。

左右両窓側の床下には、暖気が流れるダクトがバスの前後方向に延びており、干渉するのでレッグレスト(膝裏から下を支える面)の一角が窓側の席は直角に欠けています。
足を自由に動かせる空間が(座る位置により)狭くなっている苦難は、バスに限定せず鉄道でも飛行機においても直面します。乗車が短時間ならあまり気にならないのですが、各個人、その日の体調などによっても長短は変化しますから、なかなか単純に割切れない話です。

もうひとつの大きな特徴が、140度(140°)も後方へリクライニングできるその倒れっぷりです。

【公式】高速バス シートタイプ紹介・比較|高速バス/夜行バス予約|WILLER TRAVEL
https://travel.willer.co.jp/seat/specification/

それぞれのシートの傾く角度を公式サイトで明示し、しかもわかりやすく表にまでしているのは誠実だと私は思います。

140度といえばJR九州の特急形電車・787系の6両編成に3席だけ設置されている、(グリーン席よりもさらに上位の)DXグリーン席もこの角度まで平たくなるのですが、不思議なことにこの角度まで倒れるとほぼフラットになっている感覚なんですよね。
両シートとも背座角度(座角)が140度になるのですが、WILLERのリラックスのシートはレッグレスト(膝裏から下を支える面)と座面(尻の接地面)にも角度がついています(同一の平面になりません)。

レッグレストと背面(背もたれ)のリクライニングの操作はそれぞれ独立していて、段階式ではなく(好みの位置で止められる)フリーストップ式です。
座面はそのままに背面だけが傾きます。
背もたれを倒したりレッグレストを上げたりは、ふたつのレバー(窓側)ないしボタン(通路側)でそれぞれ別個に動かせます。

通路側の席は電源(いわゆるコンセント)は、通路側のアームレスト(ひじ掛け)にあります。

窓側の席の電源は壁面です。
(WILLERのカスタマイズで特設したものではなく、標準装備です。)
フットレスト(足首以下を支える面)もあります。

一番前の4席にフットレストはありませんが、足が伸ばせるように空間を設ける配慮はされています。
それに、前列の背もたれがリクライニングで倒れてきてパーソナルスペースが狭くなる心配が最前列にはありません。
なお、窓は開閉しません。

隣接する座席の中間はアームレストではなく高めのディバイダで仕切られているので、ひじの置き場所に配慮する必要がありません。
仕切りのドリンクホルダは、現行のリラックスのシートにモデルチェンジする前には装備されておらず、設計を変えて’13年の終わりに導入されはじめたものです。
(このホルダも、先述の2社によって飲料容器保持器として意匠登録されています。)

奥の席のひじ掛けに見える黒い色のふたつのボタンが上述の、背もたれとレッグレストの角度をコントロールするときに押すものです。

荷棚は一部がスリット状に半透明になっており、上に荷物があれば判別しやすくなっています。
読書灯は機能しました。(飛行機ではあまり経験はありませんが、)装置はあるのに点かない観光バスにはよく乗りますのでライトの可動は重要なチェック項目です。

荷棚には貸出し用にブランケット(毛布)があります。
新幹線では毛布を貸すのは、グリーン車の乗客に対してだけです。リクライニングの件でも日本の鉄道のサービスで類似する例を挙げましたが、普通車ではなくグリーン車が比較対象です。高速バスがこれだけ居住性の高いサービスをリーズナブルに提供していればどちらが評判を呼ぶか、人気投票の結果は自明だと思います。

アイマスクを持参せずとも外光を遮断できる効果は、とりわけ昼行便では大きいものがあります。
寝顔を見せることになる、眠る乗客が多い夜行バスでの運行時ももちろん、キャノピーはありがたい機能であるはずです。

運転席の背後には、客席とのあいだに透明の板が。


日野自動車のセレガや、(デフォルトの社名や車種のロゴタイプやプレートを撤去しているのでわかりづらいですが)三菱ふそうのエアロエースが運行に就いています。
車両の台数は後者のほうが多いんじゃないでしょうか。車内の写真もすべてエアロエースのものです。

WILLERのバスの”リラックス”というシートをおすすめするつもりで快適さについて利点をいくつも挙げましたが、(欠点というより)注意点もありますから指摘しておかなければなりません。
長くなりますので(無視して打つのをやめようかとも考えましたが、念頭に置いておいたほうがいいことだと私は思いますから)、さらに分割して次回のリリースとします。



新潟駅南口からバスタ新宿へWILLERのリラックスで(移動篇)

新潟駅南口から池袋のサンシャインバスターミナルを経てバスタ新宿まで行く、WILLER(ウィラー)の高速バスに乗車したときの記録です。
リラックスというシートは2+2列の(4列の)経済的な配置ながら深い角度でリクライニングできる、同社で主流のタイプです。

【公式】4列シート リラックス 寝顔を隠せるカノピーが特徴的|高速バス/夜行バス予約|WILLER TRAVEL
https://travel.willer.co.jp/seat/relax/

街の中心地に近いのは北側(万代口)ですが、新潟駅の南口は上越新幹線の停まるサイドです。
改札外で南北間を往来できる、新潟駅の東側連絡通路を(途中で右折や左折をせず)南進した先の階段を降りると、WILLERのバスが停車する7番乗り場があります。
連絡通路に直結もしている、PLAKA(プラーカ)1という複合ビルの1階に入っているジュンク堂書店の前です。

新潟駅南口 -全国主要バスターミナル・バス停情報|高速バス/夜行バス予約|WILLER TRAVEL
https://travel.willer.co.jp/bus-terminal/niigata/niigata-station-north.html

WILLERの公式サイトに、アクセス方法が動画でも案内されています。

私が乗ったのは、ぐずついた天気の日でした。
90度手前(上の写真では、奥)の位置に停まれば雨よけがあるのに、と思うのですが、その場所に立つ標識に記されているのは、”新潟交通貸切バスのりば”。
WILLERに指定されているスポットには、屋根はありません。

新潟駅南口の出発は朝の8時35分でしたが、8時半の数分前に乗り場へ行くとバスがもうスタンバイ。
8時25分ごろに着いた、と運転手の男性。
バスは定刻に発車します。

6時間ほど身を委ねる座席は心地よい睡眠のためのアイディアを最大限に体現化した、WILLERの努力の集大成と評してもいいと思います。
そのシートの詳細については、分割してリリースします(→参照)。

長岡ジャンクションにて北陸道から関越道に入り、越後川口サービスエリア(SA)(長岡市)で最初の休憩。
眠かったのかメモしていないのですが、およそ15分間だったと思います。

越後川口SAを出て60km(キロメートル)ほど進むと、谷川岳をスルーする関越トンネルに突入します。
出口までは11キロもあり’85年に開通してから約30年間、国内の道路のトンネルで一番の長さでした。
日本列島の分水嶺をクロスしますから普通に考えれば、関越道において最も高い地点もこのトンネル内にあるはずです。

気候区分のボーダーラインを跨ぐと空模様も変わるもので、新潟を出たときよりも強くなっていた雨はいつのまにか爽快な秋晴れに。
赤城高原SA(群馬県昭和村)には11時18分に着き、出発は同35分でした。


座席には電源(いわゆるコンセント)も読書灯もありますが、(旅行中の高速バスにおける一般的な過ごしかたとして)PCのモニタを一点に見つめる作業に充てるのは(キーボードの打刻がうるさいという要素がなかったとしても)おすすめしません。
2+2列と幅は狭めでありながら快適に眠る用途を重視しているシートの特性を活かし、昼行便であっても寝ておくのがベターではないかという気がします。
(中距離線や(機内食が複数度ある)長距離線のフライトでも私は基本的にこの思想です。)
熟睡の時間に費やすのがもったいない、ということでしたら迷わず上越新幹線へリードしたいと私は思います。

さらに進むこと約100キロ、3回めの休憩は三芳パーキングエリア(PA)(埼玉県三芳町)です。
(関越道(と上信越道)を経由する、東京周辺(東京都心、新浦安、横浜等)から長野方面へのWILLERのバスも関越道でブレイクに入るポイントは三芳PAになっています。)
三芳PAに着いたのは12時50分、発車は13時05分でした。
赤城高原SAから104.6キロを75分で移動しており、速度は平均すると時速83.7キロ弱です。

バスのランニングは慎重そのもので、まさに安全運転という表現がぴったりです。
渋滞や天候不良による速度規制などを加味し、相当の余裕時分を設定して運行プランを編んでいる印象を持ちます。
体調がよくない、(車内に化粧室はなく)生理現象に耐えられない、といった場合は声をかけて、と運転手よりアナウンスが新潟駅を出発してすぐにあったので、そのようなイレギュラな事態にもフレキシブルに対応できるようにしている模様です。
(ただ、先述の104.6キロを法定の最高速度で走ると、机上の所要時間は最低でも64分です。実際には加減速の時間もかかりますから、実測値の75分との差は10分もありません。この数分間の余裕が3か所の休憩で分割した4区間それぞれにあるとすれば、新潟から新宿まででは合計で30分あるかないか、という計算になりますが、個人的にはうーん、これで上記の事象に充分な融通が可能なのかな、足りなくないか?、という感じがします。)

ソフトな運転とシートの快適さもあって、睡魔に負けたり、関越路の画になる車窓の紅葉を鑑賞したり、を交互に繰返しながらの遊走に。夜行便ではないながらも四つの各区間でずっと起きていることはありませんでした。

バスの最初の目的地である池袋サンシャインバスターミナルには、13時49分に到着。
着く直前まで高速道路から一般道へ出ませんでしたので、大泉と美女木の両ジャンクションで外環道と(首都高)5号池袋線に移るルートを回ったのだと考えられます。
1分後には池袋を発ち、ふたたび首都高へ。
竹橋と三宅坂を経て、バスタ新宿の終着は14時18分でした。

私が乗ったときは池袋と新宿の両方に寄りましたが、最新のダイヤでは上りも下りもどちらか一方にしか停まらないようです。
また、現在は新宿を越えてWILLER EXPRESSの本社や運行の拠点がある新木場までさらに足が延びているものもあります。

WILLER EXPRESS時刻表|高速バス/夜行バス予約|WILLER TRAVEL
http://travel.willer.co.jp/wex/timetable/

池袋で降りたのは6人、新宿は8人でした。ほぼ半々ですが、偶然に左右される程度の数です。両者の需要もほぼ半分、と評価するのは正しくありません。
東池袋のサンシャインバスターミナルとバスタ新宿とでは後者のほうが降りてからの移動は便利ですから、どちらかをチョイスするなら私は(街の規模に差があることを引いて考えても)バスタ新宿です。

60階建てのサンシャイン60を核としたサンシャインシティを構成する建物のひとつである、文化会館ビルの一角にサンシャインバスターミナルはあります。
最寄りは地下鉄有楽町線の東池袋駅で、池袋の中心にある各線の池袋駅へは1キロほど文化会館から西へ歩くことになります。

他方、バスタ新宿の建物はJRの新宿駅とは新南改札、甲州街道改札、ミライナタワー改札にて直結しています。
他社局(私鉄、地下鉄)の新宿駅へも、国道20号(甲州街道)を挟んで向かいにある駅ビル(ルミネ、ミロード)を介してアクセスできます。
(甲州街道を横断歩道で渡ってしまえば、あとは屋根のあるところを改札口まで移動できます。)

なお、バスタ新宿のことをWILLERは新宿駅南口とも記しているのですが、正確には南口ではありません。
JRのほか小田急の改札口もある、新宿駅の南口改札は甲州街道の北側(新宿区)。
ですが、バスタ新宿は甲州街道の南側(渋谷区)です。JRの改札口しかありません。
(新宿駅の)南口という標識や掲示だけを手がかりにすれば現地で混乱してしまう危険性が大いにありますので、要注意というか、別称は改善されればいいと強く思います。

評判がよく人気もあるWILLERの”リラックス”の座席まわりを中心に紹介するパートは、次回にあらためて投稿します(→参照)。



韓国のサウナにてカードで決済できない体験に何度か遭う

正確にはサウナやチムジルバンで、ですが、推測ながらどうやらこれは、カード決済ができないような仕様にしているんじゃないか(個々の店舗の機械の不具合等ではなく)、と思われる心証を持ちましたので、エントリを起こすことにしました。
韓国にて決済に、私がメインで使っているクレジットカードを入浴施設の端末にスタッフが通しても、使えないと断られたことがここ1、2年弱で3回ほどあるのです。

  • 1回めは釜山の朝紡海水湯(チョバンヘスタン)で

最初の体験は一昨年・’18年の2月です。釜山の朝紡海水湯(조방해수탕)という、チムジルバンにてです。

この店舗が建つ凡一(ポミル)は、百貨店もある釜山の旧来の繁華街のひとつです。
西面(ソミョン)からは真南、釜山駅(부산역)とか例の像が敷地の前に鎮座する日本の総領事館がある草梁(チョリャン)とかからは、メインストリートの中央大路を北にいったところにあります。

このチムジルバンよりも規模の大きい施設が釜山には多数あるなかで、エントランスの通路の狭さが示すように建物のスケールは小さい部類ではあると思います。
しかし朝紬海水湯は、地元ではテレビを視ればCMが(有名なタレントこそ起用されていませんが)流れている店舗です。経営の規模として個人レベルでやっているというチムジルバンではないと思います。

부산 케이블광고 [조방해수탕] (부산 울산 경남지역! 지역광고는 역시! 클루프로덕션) – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=xFroA4NnQcM

조방해수탕 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=LCpIWmHWRgY

決済に使えない理由をフロントの中年女性に訊くと、ロッテカードが拒む(から連絡して)、といいます。
不明な点があればどうぞご自身で、という対応そのものは、日本国内と同様の対応です。
(もっとも、アクワイアラ(acquirer)である(と思われる)ロッテカードに、私がコンタクトを取る理由はありません。クレジットカードの会員とアクワイアラとに契約関係はないからです。カードのホルダーの窓口はイシュア(issuer)、つまり発行会社です。)

いや、ここへ来るちょっと前に飲食店にて決済で使えている、だから私のカードに問題があるとは考えられない、と数時間前のレシートまで見せて抗弁するも、眼前の機械は何度やっても承認しません。
このときは、私のカード(プラスチックの物体そのもの)が更新期限まで1年を切っていました。経時劣化による磁気ストライプの不具合で使えない、という事象はどこでもたまにあるものです。
(このあと実際、日本国内でも使えない店舗が出てきましたので、更新まで数か月しかないにもかかわらずその数か月間のためだけに、新しいカードを発行していただきました。)

ただ、当時は上記のように磁器不良を理由のひとつとして疑っていましたので、この翌年に起こる同様の拒否など夢にも思っていませんでした。

  • 2回めはソウルのホテルアロパのサウナで

ソウル駅(서울역)から北北東へ約1.2km(キロメートル)、地下鉄の市庁駅(시청역)のやや南に位置するビジネスホテルの、ホテルアロパ南大門(호텔 아로파 남대문)の地下に併設されたサウナでのことです。
(ホテルは昨年・’19年の終わりには、トラベロッジ明洞シティホール(트레블로지 명동 시티홀 호텔)という名称に変わっています。)
男性専用の店舗です。サウナポセイドン(사우나 포세이돈)という屋号が、一応ながらあります。

今回は有効期限が更新されたカードに交換してまだ数か月後でしたし、それになによりホテルに附帯するサウナでしたから、まさかクレジットカード決済を拒否されるとは想像もしていませんでした。
実際に拒まれたときにふと、先述の釜山の朝紡海水湯の事例も思い出しましたが、(他のカードでも試してみるべきところを)熟考することなくこのときはなぜか、現金で支払ってしまいました。

  • 3回めもソウルの、ホテル ザ デザイナーズのサウナにて

そして昨年、2回めから数か月後の、ホテル ザ デザイナーズ(호텔 더 디자이너스)のサウナのケースです。
ソウル駅から真南に1kmほど、地下鉄4号線の淑大入口(スクテイック)駅(숙대입구역)の前――地下鉄ですから表現としては、駅の前というより駅の上ですね。――にあるサウナです。
こちらはデザイナーズホテルに併設されているもので、男性専用です。

ホテル ザ デザイナーズはこの数年で店舗をいくつも増やしている新興のビジネス(宿泊機能にほぼ特化している)ホテルです。
(日本語の正式な表記はわかりません。ホテル・ザ・デザイナーズ、ホテル ザ デザイナース、など揺れがあります。)
このホテルに泊まったことがなくても、ソウルの街を移動していると外観の意匠が特徴的で目につく建物ですので、知っているかたもいらっしゃると思います。

Hotel the Designers |
http://hotelthedesigners.com/ja/

で、ここの地下のサウナのフロントでも、端末にいくら通しても決済されないという事態に直面します。

何度も機械に通したうえで、使えない、と告げる従業員の若い男性。
ホテルアロパのデジャヴュです。拒否の危険性もあると入店する前から覚悟はしていましたので、JCBも提示してみましたが、同様に受付けません。
カードを使用しようとしてできなかった客は私のほかにいるのか?とそのスタッフに訊いてみたところ、クレジットカードを利用している客はすべて韓国人で、外国のひとからはみな現金で支払いを受けている記録がある、と帳面を拡げて説明してくれました。
(小規模なサウナでは、決済履歴をなぜか紙ベースでメモしている店舗をよく目にします。)

二度あることが三度あった局面になってはじめて(使えると謳っているにもかかわらず)クレジットカード決済になじまない店が、韓国の入浴施設には一定数あるんじゃないか、と疑いはじめた次第です。
理由はわかりません。しかし、サウナやチムジルバン以外の店舗で、(支払いを現金のみに限定しているわけでもないのに)決済にクレジットカードが使えないという目には遭っていないことは私的に明確なので、とりあえずカード決済ができない可能性がこの国の入浴施設にはある、ということだけを心に留めています。

今後も同様の災難に遭遇しましたら、エントリを追加して報告します。



久留米以南のJRは日本の鉄道輸送の将来を暗示するサンプルケース

JR鹿児島本線の博多口のダイヤが’18年3月の改正でリストラされ、日中は途中の久留米駅などですべて折返し福岡県を南端まで直通する列車が、消えました。

その改正以降に私が同区間を利用したのはせいぜい数往復です。
(今年・’20年に入ってからは一度も、というか鉄道そのものに日本国内では1乗車しかしていません。新型肺炎に罹らない自衛です。)
よって、生活で頻繁に乗られる地元のかたの分析や評価のほうがより精緻で的確なことを承知のうえで告白しますと、それほど違和感がないんですよね、短編成化には。

正直なところ、6両編成とか、昼間はもちろんラッシュ時の9両編成でも長い印象が個人的にありました。

名古屋口の東海道本線の新快速が8連ないし6連、大阪口は終日12連ですから、大都市圏の人口規模と比較して鹿児島本線の博多口、なかでも福岡近郊区間外の筑後地方の両数は、”大盤振舞い”です。
(博多では本州方面の新幹線も、16両の固定編成はピークのシーズンでなければ余計ですが、東京側の論理を押しつけられているゆえにつき事情がちがいます。)

大牟田駅から博多駅へ、夜の上り電車を私はたまに利用するのですが、福岡の都心からの帰宅客を乗せた帰りとはいえ、9両もつないだ長大編成が大牟田にて小倉方面へターンする様子にはオーバーサプライ、供給過剰な心証が否定できないのが素直な感情です。

しかしながら。

久留米より南を快速運転する列車が、輸送のピーク時ではないとはいえ日中はわずか2連というのは、なかなか衝撃的です。
6両が役不足だとしても3分の1にまで減らすか?、って話です。
しかも、1時間あたりこの1本のみです。

九州新幹線がつながる前までのJRは西鉄と並走する区間では、特急と快速だけでも毎時3本と1本、つまり平均して15分おきの博多駅へ速達するスジを引いて健全な競争をしていました。

いまや南の県境・大牟田駅へのアクセスは、昼間は(久留米か始発の鳥栖か、どちらかの駅で)乗換えが必要なうえ、快速運転する列車は2両編成の電車が1時間ごとに走るのが唯一なのです。

他の都市圏でたとえると、日中の東京口の東海道線(や分岐する湘南新宿ラインの系統)が小田原まで行かず全列車が茅ケ崎か平塚あたりで折りかえして、そこから西の区間は5両の電車――E233系3000番台やE231系の、付属編成をイメージしてみてください。――しか走っていないようなものです。
大阪口で置換えれば、新快速の電車がデータイムはすべて西明石どまりになって、西明石以西は姫路と岡山とを往復する運行体系が東に延長されるような感じでしょうか。
空想とはいえなかなかシュールなたとえに感じますか? でも、そう的外れな比喩でもないと思います。
(両例とも、新幹線も競合他社の路線も並行しています。もっとも、茅ケ崎や平塚は新幹線の停車駅ではありませんが。)

株主が幅を利かせる完全な公開会社になってまもないJR九州でさえ、このような大胆なサービスのスリム・ダウンをさっそく図るのです。
JRの他社、とりわけ九州から東の方角にある効率至上主義的な会社も(人口減からの)利用者の減少にあわせて同様のオプティマイズをいつか決行するのは自明ではないでしょうか。

以上が今回のエントリのメインとなるテーマですが、久留米から大牟田までのJR鹿児島線の輸送体系を直視して思うもうひとつのポイントは、新幹線が落とす影です。

1時間に3本もあった特急列車が、九州新幹線の全通で大牟田駅からはなくなりました。
(東京の都心と水戸や甲府とを結ぶ特急でさえ毎時2本のところ、3本もあったのです。)
新幹線の新大牟田駅は不便な位置にあるうえ、その料金も在来線の特急より割高です。
それでいて高速鉄道がもたらす時短のメリットは、新大牟田駅は博多駅からせいぜい6、70キロ程度の距離ですからさほどありません。

使いやすさが増していっている久留米駅とは対照的に、さくら号で山陽新幹線へ相互直通する利便性のほうも、新大牟田駅はほぼ皆無です。
いまや停まるのは毎時1本の博多-熊本間のつばめ号のほかは、大阪方面へは日に数本、例外的に設定されているだけだからです。
(なお、鹿児島方面へも数本です。)
新幹線の開通は、大牟田市をはじめとした筑後地方の沿線住民が望んだとおりの結果をもたらしているのでしょうか。

まさしく同様の危懼は、長崎本線の一部を占める佐賀県にあります。
(在来線の乗客の流れが新幹線と反対向きですが)福井県の嶺北地方も北陸新幹線の延伸によってそう遠くないうちに、確実にこうなります。(そのうえ、JR西日本は並行する在来線を経営から除外します。)
通過する沿線の地元のひとたちに不便を強いてまでこれ以上、路線網を拡げた先になにが見えますか。

久留米駅から南の系統分離と、大牟田駅における乗車機会の現状は――って、もはや消えたものなので物理的に可視はできないわけですが――人口の減少が明白な日本の将来の、都市圏の鉄道輸送、高速鉄道輸送のほころびやひずみが比較的わかりやすくにじみ出た、まさに象徴となっているケースのように思います。



香港空港からマカオへは、条件が合えばフェリーが無難。

香港国際空港(赤鱲角機場)に空路で着いて、よりスムースにマカオや大陸の珠海等へ渡航する手段は、複数社が運航するフェリーです。
香港のイミグレを入出境せずに済むなによりの強みがあります。
ゆえに、条件がうまく合えば、港珠澳大橋を通るのではなく従来からあるフェリーに乗るのが無難だと思います。

焦点は、うまく合う条件とはなんなのか、です。

たとえば、マカオの両港へは日中に片手でカウントできる本数が航行するのみです。
(両港とは、マカオ半島の外港客運碼頭、路氹エリアの氹仔(タイパ)客運碼頭、の各旅客ターミナルのことです。)
前便が出航した直後で待ち時間が長いときや、その日のフェリーの終発後のタイミングだと、フェリーを選ぶ合理性はありません。

それに、たとえば自分のバッグやケースを預けてLCC(格安航空会社)に搭乗した場合で、香港に入境したうえでいったん手荷物を受取る必要がある(通しの扱い、いわゆるスルーバゲッジのサービスが提供されない)ときも、この空港からのフェリーの乗客となることはそもそもできません。

挙げたような悪条件でも条件の制約もないならば、空港から無難にフェリーに乗っておけ、と私は考えます。

大橋を経由したい動機があるとすれば、ひとつはまだ渡ったことがないので初体験で通ってみたい、という場合です。
世界一の建築物がそこにあるのですから、機宜に適しています。

ほかに、移動の出費をリーズナブルに済ませたいときです。
ゴールドのボディが特徴的なシャトルバス(穿梭巴士)の”金巴”だと13歳以上の普通運賃が、日中か夜間かで65香港ドル(約900円)ないし70香港ドル。
対してフェリーは、香港空港からマカオへの移動に大人で270香港ドル(約3,800円)と約4倍もかかります。
外港碼頭を発着するTurboJET(噴射飛航)、氹仔碼頭を発着するCotai Water Jet(金光飛航)、どちらの会社のフェリーでも同額です。
なお、(香港空港の出国税に相当する)飛機乘客離境税の返還が、香港空港へ向かうフェリーでは(各自が手続きをすれば)受けられるので120香港ドル(約1,700円)が戻ってくるのですが、逆の香港空港から出航する船便ではそれがありません。

――と、運行本数や費用の面でネガティブな見解をふたつばかり挙げましたが、それでも香港のパスポート・コントロールを経ないで香港空港からフェリーに乗っておけ、と私が思うのは、いったん香港に入境してしまうと、やっぱりフェリーで行きたいと考えを翻しても空港からは乗船できないからです。

’18年の10月に港珠澳大橋という便利なコースができましたので、入境後の空港からはこの橋を往来するシャトルバスや相乗りタクシーがベストな手段です。
ただ、右側通行であることからもわかるように大橋の本体を管理する権能は香港でも、ましてやマカオでもなく、一般大衆の自由を制限することになんの躊躇もない中国大陸側、広東省サイドにあります。
(強風等で通行止めになったというケースはいまのところウェブ上で確認できないのですが)なんらかの理由で港珠澳大橋を通行できないこともあるかもしれない、と頭のどこかに入れておいたほうがいいと思います。

大橋を使わないならば、西のマカオとは逆方向の香港島や九龍等へ――鉄道(MTR、港鐵)やバス(巴士)で――移動したうえで、香港の中心地とマカオとを結ぶフェリーに乗るしか合理的な方法はありません。
香港の都心とマカオとの中間に赤鱲角の空港はありますので、上環や、九龍の尖沙咀の両ハーバーへのアクセスのためにJの字(しの字)型に、距離にして2倍ほど余計に往来しなければなりません。

海を渡るのと橋を渡るのとで一長一短があることを簡単に指摘しつつ前者を推しましたが、心情的に私がおすすめしたいのは裏腹に、後者・港珠澳大橋の連絡ルートのほうです。
また、相乗りタクシーについては性質を比較しようにもウェブ上にほとんど情報がありません。
相乗りタクシーをはじめ、シャトルバス(金巴)についても、追って投稿で紹介するつもりでいます。

ちなみに、新型コロナウイルスの感染症が拡大して以降、港澳間のフェリーは2月の初旬に、シャトルバスの金巴は4月に入ってから、全便が一時的に運行をやめています。

香港・マカオ、公共交通が完全停止 カジノ産業に打撃 (写真=ロイター) :日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57752840X00C20A4FFE000/

香港とマカオとを往来する公共交通機関がまったくないという異常な事態です。



Priority Passで名古屋のスタアラアウンジ入店は18時半まで

過日、セントレアで国際線を乗継ぐさいにSTAR ALLIANCE LOUNGE(スター アライアンス ラウンジ)に入店しようとしたら。

Priority Pass(プライオリティ・パス)での利用時間は、18時半までなんですね。
名古屋から日没後のフライトで発つことがいままでなかったので気づかなかったのかな、と自省しています。
このラウンジを案内するウェブ上の(公式、あるいは私設の)ページのどこかしらで過去、18時30分までである旨の記載を一度は目にしているはずなのに、です。

スターアライアンスラウンジ – ラウンジ | 中部国際空港 セントレア
https://www.centrair.jp/service/lounge/sta-alliance.html
――”PRIORITY PASSの利用時間は毎日7:00~18:30ですが、ラウンジの混雑状況によりご利用できない場合があります”。

NGO1-Star-Alliance-Lounge
https://www.prioritypass.com/ja/lounges/japan/nagoya-central-japan-intl/ngo1-star-alliance-lounge
――”毎日:午前7時~午後6時30分”がリアルな営業時間であると誤解されかねない記述になってはいますが、それでもホルダーが18時半以降に使える可能性がないことを知るには充分です。

にもかかわらず見落とし私が現場に着くまで気づかなかったのですから、同様のミスをするかたもいらっしゃるかもしれない、と考え本件の見出しを打ってリリースした次第です。

今回はソウルから名古屋に着いて、日本に入国せずそのまま他国へ抜けるという旅程でした。
韓国の出発時刻、日本での乗りつぎ時間、などのほかに出発までに滞在できるラウンジなどの条件を比較して最終的に名古屋を経由地とすることに決めて発券したのですが。
日本の経由地は名古屋である必要はなく、大阪(関西)で乗継ぐプランでも空席はあったので、中部にするか関空にするかはチケットを購入するさいに悩んだことのひとつでした。

セントレアへ発つ前の仁川(インチョン)空港ではアシアナ航空のラウンジで食事はあまりせず、名古屋でいただくつもりで日本へ来たのですが、発券時までに気がつかなくてもソウルを出る前までに気づいていれば、フライトまでの待ち時間をより意義あるものにできたよなぁ、と回顧しています。

ところで、搭乗口の番号で大別するとセントレアの第1ターミナルの国際線の制限エリアは、西のほうへ伸びる18番までと、南のほうへ伸びる19番以降とに二分できます。

海外からの乗り継ぎ客が(手荷物検査を経て)出発エリアに出てくる(写真の右に見える)自動ドアは前者、18番以下の番号のゲートへ分岐する根元に位置し、廊下のすぐ向かいにスターアライアンスのラウンジへ降りるエレベータ――や、JALのサクララウンジ用のエレベータも――があります。

セントレア 中部国際空港-空港案内空港案内[国際線]|空港・機内で[国際線]|ANA | 空港・機内で [国際線] | ANA
https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/departure/airport/map/ngo.html


https://www.ana.co.jp/international/departure/airport/image/dom/ngo_dep.gif

ラウンジの位置を示す、ANAのサイトのフロアマップが適度に簡略的でわかりやすいかもしれません。
(ANAはセントレアにはラウンジを所有していないため、同社の上位クラスの乗客や上級会員もスターアライアンスのラウンジを利用します。)

パスのホルダーにウェルカムと告知するバナースタンドこそ脇にありますが、18時半までである表示は、このエレベータに乗って降りないと掲出がどこにもありません。
利用できる時間が経過したら、この黄色地の幟旗が撤収されるか入店できない掲示が追加されるのかもしれません。

このラウンジを案内するセントレアの公式サイトのURLを冒頭のほうに載せましたが、ラウンジを運営しているスターアライアンスの公式サイトには、プライオリティ・パスの所持者には時間の制限があることについて言及はありません。↓

名古屋 (NGO) – Star Alliance
https://www.staralliance.com/ja/star-lounge-detail?loungeDetailsForAirport=NGO

ちなみに、セントレアには同パスが使えるラウンジがほかにも2か所あります。
私は結局この日、Centrair Global Lounge(セントレア グローバルラウンジ)を利用しました。7時半から21時までやっています。↓

セントレア グローバルラウンジ – ラウンジ | 中部国際空港 セントレア
https://www.centrair.jp/service/lounge/centrair-global.html

大韓航空が設置しているKAL Loungeもあるものの、営業時間が7時半から17時15分までとよりコアな時間帯に特化したオペレーションです。↓

KALラウンジ – ラウンジ | 中部国際空港 セントレア
https://www.centrair.jp/service/lounge/kal.html

このエントリをリリースしようと考えたきっかけは、新型コロナウイルスの件でセントレアを発着する国際線のフライトがついにゼロになった、という報道に接したからなのですが。

中部空港、国際線ゼロに 新型コロナ影響、4月1日から:一面:中日新聞(CHUNICHI Web)
https://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2020032702000279.html

セントレアの公式サイトには、新型肺炎の流行からのフライト激減で上掲の各ラウンジが臨時に営業をやめている旨がちゃんと記載されています。↓

ラウンジ – サービス施設 | 中部国際空港 セントレア
https://www.centrair.jp/service/lounge/index.html

プライオリティ・パスやANAのウェブサイトの当該ページには休業の情報は反映されていないので、最新の状況はセントレアのサイトで確認するのがいいと思います。