香港空港からマカオへは、条件が合えばフェリーが無難。

香港国際空港(赤鱲角機場)に空路で着いて、よりスムースにマカオや大陸の珠海等へ渡航する手段は、複数社が運航するフェリーです。
香港のイミグレを入出境せずに済むなによりの強みがあります。
ゆえに、条件がうまく合えば、港珠澳大橋を通るのではなく従来からあるフェリーに乗るのが無難だと思います。

焦点は、うまく合う条件とはなんなのか、です。

たとえば、マカオの両港へは日中に片手でカウントできる本数が航行するのみです。
(両港とは、マカオ半島の外港客運碼頭、路氹エリアの氹仔(タイパ)客運碼頭、の各旅客ターミナルのことです。)
前便が出航した直後で待ち時間が長いときや、その日のフェリーの終発後のタイミングだと、フェリーを選ぶ合理性はありません。

それに、たとえば自分のバッグやケースを預けてLCC(格安航空会社)に搭乗した場合で、香港に入境したうえでいったん手荷物を受取る必要がある(通しの扱い、いわゆるスルーバゲッジのサービスが提供されない)ときも、この空港からのフェリーの乗客となることはそもそもできません。

挙げたような悪条件でも条件の制約もないならば、空港から無難にフェリーに乗っておけ、と私は考えます。

大橋を経由したい動機があるとすれば、ひとつはまだ渡ったことがないので初体験で通ってみたい、という場合です。
世界一の建築物がそこにあるのですから、機宜に適しています。

ほかに、移動の出費をリーズナブルに済ませたいときです。
ゴールドのボディが特徴的なシャトルバス(穿梭巴士)の”金巴”だと13歳以上の普通運賃が、日中か夜間かで65香港ドル(約900円)ないし70香港ドル。
対してフェリーは、香港空港からマカオへの移動に大人で270香港ドル(約3,800円)と約4倍もかかります。
外港碼頭を発着するTurboJET(噴射飛航)、氹仔碼頭を発着するCotai Water Jet(金光飛航)、どちらの会社のフェリーでも同額です。
なお、(香港空港の出国税に相当する)飛機乘客離境税の返還が、香港空港へ向かうフェリーでは(各自が手続きをすれば)受けられるので120香港ドル(約1,700円)が戻ってくるのですが、逆の香港空港から出航する船便ではそれがありません。

――と、運行本数や費用の面でネガティブな見解をふたつばかり挙げましたが、それでも香港のパスポート・コントロールを経ないで香港空港からフェリーに乗っておけ、と私が思うのは、いったん香港に入境してしまうと、やっぱりフェリーで行きたいと考えを翻しても空港からは乗船できないからです。

’18年の10月に港珠澳大橋という便利なコースができましたので、入境後の空港からはこの橋を往来するシャトルバスや相乗りタクシーがベストな手段です。
ただ、右側通行であることからもわかるように大橋の本体を管理する権能は香港でも、ましてやマカオでもなく、一般大衆の自由を制限することになんの躊躇もない中国大陸側、広東省サイドにあります。
(強風等で通行止めになったというケースはいまのところウェブ上で確認できないのですが)なんらかの理由で港珠澳大橋を通行できないこともあるかもしれない、と頭のどこかに入れておいたほうがいいと思います。

大橋を使わないならば、西のマカオとは逆方向の香港島や九龍等へ――鉄道(MTR、港鐵)やバス(巴士)で――移動したうえで、香港の中心地とマカオとを結ぶフェリーに乗るしか合理的な方法はありません。
香港の都心とマカオとの中間に赤鱲角の空港はありますので、上環や、九龍の尖沙咀の両ハーバーへのアクセスのためにJの字(しの字)型に、距離にして2倍ほど余計に往来しなければなりません。

海を渡るのと橋を渡るのとで一長一短があることを簡単に指摘しつつ前者を推しましたが、心情的に私がおすすめしたいのは裏腹に、後者・港珠澳大橋の連絡ルートのほうです。
また、相乗りタクシーについては性質を比較しようにもウェブ上にほとんど情報がありません。
相乗りタクシーをはじめ、シャトルバス(金巴)についても、追って投稿で紹介するつもりでいます。

ちなみに、新型コロナウイルスの感染症が拡大して以降、港澳間のフェリーは2月の初旬に、シャトルバスの金巴は4月に入ってから、全便が一時的に運行をやめています。

香港・マカオ、公共交通が完全停止 カジノ産業に打撃 (写真=ロイター) :日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57752840X00C20A4FFE000/

香港とマカオとを往来する公共交通機関がまったくないという異常な事態です。



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