WILLERの”リラックス”にも存在する隣席の客との干渉問題

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前後が狭い席間をタイミング悪く客がほかの客の前を横切る、厄介の問題はあらゆる公共空間の客席に共通する悩みです。
(バス、鉄道、船舶、飛行機など移動手段だけでなく、映画館や劇場等の施設についてもそうです。)
・前後の物理的インターバル、
・タイミング、
――この条件がふたつとも悪く重なっていると干渉は起こります。

快適ないくつもの機能をおすすめ(→参照)したWILLER(ウィラー)のリラックスのシートですがこの、隣人と干渉する問題も同様に存在するのが注意しておきたいポイントです。

  • 前後の間隔の狭さとタイミングの悪さと

前のシートの背もたれがめいっぱい倒れていると、後方の席の床面上空をほぼ覆います。この背もたれの傾きにあわせて自分の体を斜めにしないと、後ろの席のひとは通路には出られないでしょう。
(これが前後の座席間隔の狭さの要因です。)
通路側の客が座ったままでは窓側の客が通路に出られない。となると、通路側のひとは(目覚めているときは協力に負担はあまりありませんが、)就寝しているときは窓側のひとの都合のために眠りを邪魔されることになります。
基本的欲求のひとつである睡眠をとっている最中に起こされればストレスが生じますが、これは目を覚ましているときには起こらないものです。
(これがタイミングの悪さの要因です。)

2+2列シートの高速バスに共通する上記の干渉問題は、できるだけ避けたいところです。
回避の方法は大別すると、
金銭で解決しないで頭を使うか、
金銭で解決するか、
です。

  • 金銭以外で解決する対処

前者は言葉を換えれば、利用者の多いときに乗らないように工夫するのです。

もっとも、(航空券ほど細かくはないにせよ)WILLERのバスの運賃・料金は価格の変動に数千円のレベルで幅があります。
価格の高いときに乗らないように一計を案じろ、と放言したところで、価格が安ければ買おうとするひとは自然に増えますからそう簡単にうまくいく話ではありません。
(これが日本の鉄道だとバスや飛行機よりシンプルです。指定席料金や特急料金にせいぜい数百円のレンジで2ないし3段階(通常期と閑散期、繁忙期)ほどの価格差しかないからです。閑散期に照準をあわせる、青春18きっぷの利用期間を外して旅行する、など対策は容易だと思います。)

  • 金銭で解決する対処

しかし、オフのシーズンでないときに乗車したければどうしたらよいのでしょうか。
その場合に打つ手が、後者の金銭的解決です。
考えられるプランはふたつあり、ひとつが隣席ブロック、もうひとつがリラックスには乗らないこと、です。

隣席ブロックとはLCC(格安航空会社)でよくみられるオプションの通称で、自分の座る隣席にほかの客の予約が入らないようにしてくれるサービスです。
WILLERでは”Wシートプラン”(ダブルシートプラン)という名称で、追加で支払う費用は最低でも500円からです。(金額は日にちや路線により変化します。)

リラックスには乗らないとは、席が隣りあうタイプのシートは最初から選ばず上位のシートにする、というものです。
WILLERの他の種類のシートで具体的に示すと、(1+1+1列で独立している配置の)コモド、ボーテ、ラクシアという名称のシートや、(1+2列配置の)”3列シート”のリボーンという種類のシートの独立席(進行方向右側)に座ればいいのです。
定員は少ないので、必然的にリラックスの乗車時よりも高い出費になります。
ただ、この提案はWILLERの”リラックス”について論じている前提を無視してしまっています。
(人類や地球が滅亡すれば環境問題など存在しなくなる、と処方箋を出しているようなものです。)

【公式】高速バス シートタイプ紹介・比較|高速バス/夜行バス予約|WILLER TRAVEL
https://travel.willer.co.jp/seat/specification/
――”3列独立シート”が1+1+1列の配置、”3列シート”が1+2列の配置です。

そして、金銭解決の両案ともいつでも切って出せる万能なカードではありません。
隣席ブロックは路線によって設定のある日にちは一緒ではないですし、すべての路線でチョイスできるわけではありません。満席になりそうな人気の便には設定がないのですが、これは公共交通機関の意義を考えれば当然です。
4列(2+2列)シートの回避は、そもそも3列シートのバスが走っていない路線では採ることのできない戦略です。

それでも先述の干渉問題をクリアしたいということでしたら、眠らないつもりで昼行便にする、他社の3列シートや高速バス以外の交通手段を検討する、あたりが現実的な解決策だと思います。

  • 干渉問題はあれども居住性は高いWILLERの”リラックス”

心地よく座っていられる工夫がWILLERの”リラックス”というシートにいくつもあったとしても(→参照)、実際に快適に過ごせるかどうかはまた別問題であることを取りあげてきましたが、最後にフォローをひとつ。

WILLERのリラックスは1番A席から10番D席まで4列×10行で40席ですが、他のノーマルな2+2列の高速バスは最後列にさらに5席あって正座席の(補助席を入れない)定員が45名です。
91cm(センチメートル)のシートピッチは一般的な高速バスのそれよりも幅広です。

旅客機のエコノミークラス(普通席)のシートと比較しても、国内線のスターフライヤー(SFJ)の前後の座席間隔は約89センチ、国際線のフルサービスキャリア(JALおよびANA)で広めに取られているタイプが約86センチですから、余裕を重視したデザインと評判してもいいのではないでしょうか。

WILLERのシートで干渉問題が生じるのは、リクライニングの角度が最大で140度(140°)と大きくとっているがゆえであることはしっかり註記しておきたいと思います。



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