仙台空港と県内や隣県の街とのアクセスの手段のなかで、往復の本数が最も多い公共の交通機関は鉄道の仙台空港アクセス線です。
毎時2本か3本の設定で朝の5時台から夜の23時台まで走り、あまり待たずに乗れるという点において他を圧倒する便利さがあります。
時刻表・各駅情報 | 仙台空港鉄道株式会社[Sendai Airport Transit]|仙台空港アクセス線
https://www.senat.co.jp/timetable/
https://www.senat.co.jp/wp-content/themes/mythemes/img/timetable/kaisei_1.png
https://www.senat.co.jp/wp-content/themes/mythemes/img/timetable/kaisei_2.png
しかし私は、空港アクセスの方法としてメジャーではないものも知っておきたいと考える性質です。
マイナーであるゆえ、積極的におすすめする手段ではないのですが先日、仙台空港と近隣のJRの駅とを往来するバスに乗りましたので今回はそれを紹介します。
仙台バスが運行する、臨空循環バスという名の路線バスです。
- 臨空循環バスの概要
仙台バス
https://www.senbus.co.jp/noriai/
臨空循環バスはJRの東北本線と常磐線の岩沼駅を出て、JR館腰駅、工場が集中する地域、仙台空港を経由し、館腰駅、岩沼駅に戻ってくるルートをとります。
運賃は、乗降の区間に関係なく均一の大人300円、小人150円です。
(公式サイトに記載はありませんが)現金で、乗車時に前払いします。
PowerPoint プレゼンテーション
https://www.senbus.co.jp/pdf/20201210jyunkan_timetable.pdf
https://www.senbus.co.jp/pdf/20201210jyunkan_timetable.pdf
積極的におすすめしない理由のひとつめは、朝に6本、夕方に6本、の合計12本と運行本数が多いわけではない点です。
数年前の運行開始当初は24本でしたが少しずつ減っていき、昨年・2020年12月より毎日12本の体制になっています。
臨空循環バス 岩沼駅東口→館腰駅東口→仙台空港 岩沼駅東口 6:15→館腰駅東口 6:25→仙台空港 6:51 岩沼駅東口 6:35→館腰駅東口 6:45→仙台空港 7:11 岩沼駅東口 7:25→館腰駅東口 7:35→仙台空港 8:01 岩沼駅東口 7:40→館腰駅東口 7:50→仙台空港 8:16 岩沼駅東口 8:35→館腰駅東口 8:45→仙台空港 9:11 岩沼駅東口 8:50→館腰駅東口 9:00→仙台空港 9:26 岩沼駅東口15:33→館腰駅東口15:43→仙台空港16:09 岩沼駅東口16:28→館腰駅東口16:38→仙台空港17:04 岩沼駅東口16:43→館腰駅東口16:53→仙台空港17:19 岩沼駅東口17:38→館腰駅東口17:48→仙台空港18:14 岩沼駅東口17:53→館腰駅東口18:03→仙台空港18:29 岩沼駅東口18:48→館腰駅東口18:58→仙台空港19:24 (時刻はすべて出発時刻)
臨空循環バス 仙台空港→館腰駅東口→岩沼駅東口 仙台空港 6:51→館腰駅東口 7:03→ 7:15岩沼駅東口 仙台空港 7:11→館腰駅東口 7:23→ 7:35岩沼駅東口 仙台空港 8:01→館腰駅東口 8:13→ 8:25岩沼駅東口 仙台空港 8:16→館腰駅東口 8:28→ 8:40岩沼駅東口 仙台空港 9:11→館腰駅東口 9:23→ 9:35岩沼駅東口 仙台空港 9:26→館腰駅東口 9:38→ 9:50岩沼駅東口 仙台空港16:09→館腰駅東口16:21→16:33岩沼駅東口 仙台空港17:04→館腰駅東口17:16→17:28岩沼駅東口 仙台空港17:19→館腰駅東口17:31→17:43岩沼駅東口 仙台空港18:14→館腰駅東口18:26→18:38岩沼駅東口 仙台空港18:29→館腰駅東口18:41→18:53岩沼駅東口 仙台空港19:24→館腰駅東口19:36→19:48岩沼駅東口 (終点のみ到着時刻、それ以外はすべて出発時刻)
便宜的に仙台空港の前後で時刻を分割して示しましたが実際には、JR岩沼駅を出て仙台空港を経由し岩沼駅に戻るまでが一連です。
多くのバス停に寄ってから仙台空港に着くため、仙台空港から乗ろうとする時点において着席している先客がいる可能性があります。
そして、JR館腰駅から仙台空港までは20分超(、対して仙台空港から館腰駅までは10分超)、と仙台空港へ行く方向の所要時間のほうは長めです。
――これらが積極的におすすめしないふたつめの理由です。
臨空循環バス[仙台バス]のバス路線図 – NAVITIME
https://www.navitime.co.jp/bus/route/00068680/%E8%87%A8%E7%A9%BA%E5%BE%AA%E7%92%B0%E3%83%90%E3%82%B9[%E4%BB%99%E5%8F%B0%E3%83%90%E3%82%B9]
外部のサイトによる時刻表が見られるリンク先も、念のため掲げておきます。
- 臨空循環バスを活用するなら
このバスを空港アクセスの手段として実用的に活かせる機会があるとすれば、仙台空港から館腰駅や岩沼駅へ向かう場合でしょう。
なぜなら、上記の概要や下記の実乗の叙述のとおり、この循環バスは仙台空港へ向かうときには遠回りをするからです。
運賃以外の優位性が発揮されるのは、仙台空港を9時11分、16時9分、18時14分に発つバスぐらいだと思います。
・その直後に仙台空港駅を出る仙台空港アクセス線の電車よりも早く仙台駅に着けたり、
・逆に数分前に出てしまった仙台空港アクセス線の電車から(名取駅で)乗りかえた電車に岩沼駅で追いつくことができたり
する程度です。
もちろん、地元の岩沼市民や名取市民など岩沼駅や館腰駅に目的があって行くひとにとっては、バスの運賃だけで移動できるわけですからこのかぎりではありません。
- 臨空循環バスに実乗
JR岩沼駅のこのバスの停留所は、駅舎が建つ東口にあります。↓
駅舎らしい駅舎はないものの、館腰駅の本系統のバス停があるのも東口です。↓
上りの(仙台とは反対方面の)プラットホームに直結する、数段の階段を降りてすぐ左に位置します。
私はその館腰駅東口より、6時25分に出る朝一番の便に乗りました。
始点の岩沼駅東口からの数名の外国人の先客が車内にはおり、もうひとりの館腰駅からの乗客とあわせて5名で空港のあるほうへ向かうのですが。
https://www.senbus.co.jp/jyunkan/keiro_map201906.gif
途中のイオンPC前の停留所にて乗客は私だけになってしまいました。
この循環バスは岩沼臨空工業団地(矢野目工業団地)への通勤の役に立っている性質のほうが大きいのだろう、と感じた瞬間です。
ヒンディー語で記された掲示もあり、外国から来たひとたちが第二次産業の労働力を確保するのに不可欠なこの国の現状がにじみ出ている一例でしょう。
工場群を抜けるとまもなく、左手前方に仙台空港が見えてきます。
仙台空港は終点ではなく途中のバス停のひとつですので、降車ボタンを押しました。
6時49分、仙台空港に到着しました。
発着する3番の停留所は、国際線の区画の近所です。
約3分間の停車ののち、バスは来た道へ去っていきました。
屋根もターミナルビルより連続していますから、風雨でないかぎりは濡れる心配もそれほどなかろうと思います。
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