名古屋と大阪とのあいだを直行する交通手段には新幹線や近鉄特急のほかに、複数の会社が走らせる高速バスもあります。
大阪まで行くWILLERの高速バスが出発するのは、ビックカメラ名古屋駅西店の前にある停留所からです。
JRハイウェイバスが発着する、新幹線のほぼ真下に位置するJR名古屋 バスターミナル(上掲のGoogleのストリートビューの左)のほうがそりゃ、駅に近くて便利だとは思いますよ。
しかしながら。
名駅の西側の地下街・エスカのE6番の出口を目指してですね(茶色いドアは自力で開扉しなければなりません)――
階段を昇るとどうでしょう。
すぐそこにバス停があるのです。
上下の移動こそあれ(下りはエスカレータです)、雨天時でも屋根がないのはたった数メートルだけ、という環境下にあるWILLERの停留所はそう多くありません。
WILLERはほかに3か所、名駅の周辺に乗車地や降車地を設定していますが、”名古屋駅太閤通口”はそれらのなかで最も便利なバス停です。
バスの出発時刻は17時30分のところ、入線は10分前の17時20分、実際の発車は17時32分でした。
レゴランドが近所にある金城ふ頭駅、後述する長島、の2か所の乗車地を経由する便です。
清正公通、環状線、金城ふ頭線、と市道や県道を走り、名古屋高速には乗らずにあおなみ線の金城ふ頭駅の前まで来ました。
私が利用したその日は乗客がおらず、客扱いをしない運転停車のようなオペレーションでしたから写真はありません。
(ちなみに、レゴランドの休園日ではなかったはずです。)
名港中央インターチェンジ(IC)より伊勢湾岸自動車道に乗り、西へ12km(キロメートル)ばかり進みます。
名古屋市、追って愛知県を抜けるのはこの移動中です。
“ナガシマリゾート”(三重県桑名市)のバス停そのものは伊勢湾岸道から近い位置にあるのですが、湾岸長島ICを降りてからここまでは、10分ほどかけてゆっくりと回り道をします。
アウトレットモールのジャズドリーム長島の入口附近にあり、ナガシマスパーランドのジェットコースターも見えるこの停留所にバスが入線したのは、18時37分でした。
屋根だけではなく待合室もあって、私が利用した名古屋駅太閤通口のバス停よりも設備がしっかりしています。
大阪まで行く乗客が全員そろったこのタイミングで、車内の様子を簡単に紹介しましょう。
定員が40名のバスに乗車していたのはその日、ほぼ半数の約20名でした。
名古屋にて約10人、長島においても約10人が乗りその数になっています。
名古屋を出てまもない時点でWILLERの公式サイトにて残席を確認すると、16席ある女性専用席も24席のそうではない席も約10席ずつの在庫がありました。
車内には男女のペアで座るひともいましたので確実に女性客のほうが多かったことになりますが、顕著な差を感じるほどの印象はありませんでした。
ひとつ挙げるとするなら、ナガシマからひとりで乗る利用者は少なかった点ぐらいでしょうか。
ちなみに、運転席と客席とのあいだに見える灰色のカーテンは時間帯によらず、走行中は閉められます。
夜行便ではないため消灯はもちろん減灯もなく、室内灯の明るさはずっとこのままです。
最後方の4席は床面が数cm(センチメートル)高い構造になっています。
また、窓側の10Aと10Dの両席の座面下は他の窓側の席のようにダクトが前後方向に延びてはおらず切れているので、足を自由に動かせる空間がやや広めです。
18時45分、バスはナガシマリゾートを出発しまた伊勢湾岸道に乗ります。
四日市から新名神高速道路に移ったバスは19時39分、甲南パーキングエリア(滋賀県甲賀市)に停まり道中における唯一の、約30分間の休憩に入りました。
サービスエリアよりは確実にコンパクトであるため、バスを降りて私事から戻ってくるときに迷子になる心配は無用でしょう。
敷地の広さやほかのパーキングエリアに対してトラックの台数は多く、それでいて他社の高速バスの姿はほぼ皆無であることが印象的でした。
甲南パーキングエリア(下り線) | NEXCO西日本のSA・PA情報サイト
https://www.w-holdings.co.jp/sapa/3002.html
朝の7時から夜の21時までは、売店と飲食店が営業中です。
その時間内であればフードコートにおいて食事が可能になっており、パーキングエリアのそれにしてはメニューの品目数が多くてびっくりしました。
よく読むと、COVID-19の流行によりこれでも数を減らして提供しているみたいです。
WILLERは夜行便も名阪間に走らせていますが、深夜のブレイクはどうしているのかと思ったら。
高速バス時刻表 名古屋・三重(ナガシマリゾート・四日市)・岡崎⇒大阪・京都|高速バス/夜行バス予約|WILLER TRAVEL
https://travel.willer.co.jp/wex/timetable/detail/?route=1301018
その営業時間外は十数キロ東に位置する土山サービスエリア(同市)を休憩地とするようです。
さて、休息を終えた車は大津連絡路を経由し名神高速道路に合流、渋滞や急な荒天などの特段の支障もなく順調に大阪へ近づいていきます。
万博記念公園の太陽の塔を右に見ながら吹田ICを降り府道2号(大阪中央環状線)を5キロばかり西へ直進、千里ICを左折したらあとは梅田を目指して電車の軌道が並行して走る国道423号(新御堂筋)をただ南下するのみです。
大阪駅前第4ビルの東側の道路・御堂筋に21時23分、バスは北を向いて停まり約4時間の旅は終わりました。
上掲の公式サイトの時刻表にもあるように、私が乗ったこの便以降は早朝に着く夜行便まで、名古屋発のWILLERのバスの降車地は(新梅田シティのWBT大阪梅田ではなく)こちらになります。
バスを降りて西に30メートルほど歩くだけで大阪駅前第4ビルがありますから、屋内や地下道を経由して地下鉄、JR、阪神、阪急の各駅へ行くことができ、(降車地がWBT大阪梅田である場合との比較で)雨天時でもあまり困りはしないはずです。
地上の御堂筋を北へ進んだ先に見えるのは、低層階に阪急百貨店が入居する高層ビルです。
雨が降っていないのなら、とりあえず直進して大阪駅前まで来れば道に迷う心配はだいぶ減らせるでしょう。
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