韓国の地図サイトが青瓦台にかかる大部分の改竄をやめた模様

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今回の投稿は見出しがすべてなのですが、多少の補足をしましょう。

韓国では外国の企業によるGoogle マップよりも自国のNaver Map(네이버 지도)やKakaoMap(카카오맵)のほうが地図サイトとしてよく利用されており、現実的に至便でもあります。
しかしながら両者には無視できない欠陥も存在し、それが同国の安全保障に関係する施設を周知させたくない政府の意向に従順で、事実をねじ曲げて見せている点です。
青瓦台(청와대)を大統領府として使わないことを先日、同国民の投票で決まった新しい大統領が表明しましたが、その青瓦台も改竄の対象でした。

きのう・5月10日に就任の式典があり、直後に施設をオープンにする手続きが実行されたらしく、青瓦台の位置情報も同日のうちに突如として両サイトに出現しています。

청와대 : 네이버 통합검색
https://search.naver.com/search.naver?query=%EC%B2%AD%EC%99%80%EB%8C%80

청와대 – Daum 검색
https://search.daum.net/search?w=tot&q=%EC%B2%AD%EC%99%80%EB%8C%80

ポータルサイトのNAVER(네이버)とDaum(다음)の窓に청와대と投げると、地理的な検索結果も返すようになりました。
同国内にて話題になっている最中であることもあってか現時点においてはニュースや基本的な情報のあとに示されている状況で、下のほうへページをスクロールさせないと見られません。


https://map.naver.com/v5/search/%EC%B2%AD%EC%99%80%EB%8C%80?c=14134754.0000000,4521066.0000000,16,0,0,0,dha

自動で飛ばないため手動により画面の北の方角へ移動させてやる必要がありますが、Naver Mapでは地図に建物の形状まで表示されるようになっています。
敷地の前の道・青瓦台路(청와대로)のコリビューの機能(Google マップにおけるストリートビューとほぼ同等の機能)も、ぼかしのないものが使える状態です。
公開するかどうかはともかく記録はしていたらしく、2018年4月と昨年・2021年5月に撮られています。


https://map.kakao.com/?urlX=494466&urlY=1135531&urlLevel=4&q=%EC%B2%AD%EC%99%80%EB%8C%80

他方、KakaoMapの地図にはピンが刺さるのみで現状、建造物はなにもない土地のままです。
青瓦台路の全部とその西方の合計で約1km(キロメートル)の区間のロードビューも見られません。
(右上の全方位カメラのアイコンをクリックしても水色の太い半透明な線は表示されないでしょう。)

なお、GoogleのストリートビューもKakaoMapのロードビューと同様に青瓦台路は閲覧できない状態ですが、従来より衛星写真をそのまま公開していること、青瓦台路の通行が可能になったのがつい数年前であること、韓国の国内においてはGoogle マップの情報は全般的に古いままのことなどから推測するに、それは同国のポリティカルな圧力がどうとかいう話ではありません。


https://map.naver.com/v5/search/%EC%B2%AD%EC%99%80%EB%8C%80?c=14134754.0000000,4521066.0000000,16,0,0,2,dha


https://map.kakao.com/?urlX=494466&urlY=1135531&urlLevel=4&q=%EC%B2%AD%EC%99%80%EB%8C%80&map_type=TYPE_SKYVIEW

“衛星写真”のほうはどちらのサイトとも、青瓦台のコアな部分は見せるようにした模様です。
コアな部分は、と限定したのは、(Googleの衛星写真が正しい、という前提で比較してみると)敷地内に樹木があまりに密集しているからです。
とりわけ、KakaoMapのそれには不自然にまったく同一の模様が連続する箇所があり(加工が下手だと思います)、非公開をやめたはずの施設にほかになにを隠すことがあるのだろう、という疑念は消えません。

改竄中の両サイトの”衛星写真”を残しておけばよかった、と後悔していますが、地元の衛星放送のテレビ局・JTBCが公開前の敷地の衛星写真を模したものを記事に載せていますので、その引用で代替とします。↓

청와대, 이제 온라인 지도로 누구나 볼 수 있다 | JTBC 뉴스
https://news.jtbc.joins.com/article/article.aspx?news_id=NB12058419


https://photo.jtbc.joins.com/news/jam_photo/202205/10/50fdc8b9-8633-4516-aa76-01c1812e7f31.jpg

さて、青瓦台を執務に使わないと決めた現在の彼国のトップはどちらへ移動したのかというと、地下鉄三角地駅の南東に位置するとされる同国の国防部の庁舎内です。
所在地の上空の衛星写真を見てみると、Naver MapやKakaoMapでは森林となっている一方でGoogle マップにおいては多数の建物が確認できます。

結局のところ、仕事の場所を変えただけでどこにいるかを秘匿するオペレーションに変わりはないわけですから、青瓦台の開放は(名目上は隣国と戦争中である点を考慮しても)イメージをよく見せるための所作のひとつと評価するのが適当、というのが私の考えです。
韓国の制度上、大統領の再選はないので任期が切れる5年後にはある程度の結果が出るのでしょうが、5年も待たなくても自明なように私は思います。



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