道が狭く坂が多い街・梨泰院

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ソウルの梨泰院(イテウォン)は基本的に道幅が狭く、坂が多い街です。
ゆえに、梨泰院ならどこが現場でもおかしくはないな、ときのう・10月29日(土)の夜に圧死の事故が起きた、と最初に耳にしたときに私は思いました。

惨禍は梨泰院のランドマーク的な存在であるハミルトンホテルの西に面した路地にて発生した模様です。
もっとも、梨泰院の街自体が報道されている10万人という数の大衆を包摂できるようなところとは私には考えられませんので、数字の正確さはさておき事故の現場だけが局所的に混雑していたわけではないのだろうと推測します。


https://map.kakao.com/?map_attribute=ROADVIEW&panoid=1156634043&pan=354.0&tilt=0.0&zoom=4&urlLevel=3&urlX=498540&urlY=1120850

韓国におけるGoogle マップの情報は概して古いため、地元の地図サイト・KakaoMapによる最新のロードビューの画像も載せました。
外国人向けの店舗が多いエリアであることが、日本語も看板に記されているところからわかると思います。


https://maps.gsi.go.jp/#16/35.6632/139.7322/&base_grayscale=1&ls=std%7Crelief&disp=11&d=m

外国のひとが多い街といえば東京の六本木もそうですが、こちらには霞ヶ関や渋谷の方向へ抜けられる都道412号(六本木通り)、飯倉や乃木坂の方向へ抜けられる都道319号(外苑東通り)、と複数の片側2車線以上の道路が走っています。
また、台地の上に位置し周辺に六本木の繁華街より高くなっている場所がありません。


https://maps.gsi.go.jp/#16/35.6580/139.7031/&base_grayscale=1&ls=std%7Crelief&disp=11&d=m

昨夜の梨泰院がそうであったように、東京の渋谷もハロウィンの季節になると仮装するひとで非常に混みますが、こちらは六本木とは対照的に周囲よりも低地であることが特徴の街です。
しかし、片側2車線以上の道路に限定しても六本木通りと国道246号(玉川通り)、都道305号(明治通り)、道玄坂、渋谷公園通り、と何本もあるうえ、地上にも地下にも複数の鉄道が走っています。


https://map.naver.com/v5/?c=14136873.9622940,4514009.5822214,15,0,0,3,dh

で、梨泰院です。
ハミルトンホテルの前を東西に走る梨泰院路が片側2車線、南下する普光路が片側1車線、と広い道はこれだけで、地下鉄の6号線が唯一の鉄道です。
渋谷ほどの谷底の地形ではないものの、北は南山から連続する傾斜地ですし、西へ5、600メートルのところにはアメリカ軍の龍山基地が存在します。
多数の群衆が密集したときに周辺へ分散されにくい条件が梨泰院にはいくつもあるのです。
ソウル市内のほかの有名な繁華街と比較してもここまで狭小な場所はないと思います。

新潟の彌彦神社(西蒲原郡弥彦村)の事故や、1960年にソウル駅で起きた圧死事故のように過去の大規模な群集事故は急激な段差のあるところにおいて発生しています。
梨泰院の街には今回の事故現場よりももっと急な坂が多く存在するため、なぜここで?という気が個人的にしなくもないのですが、限度を超えた人口密度とちょっとしたきっかけさえあれば、ある方向へ一斉に倒れてしまう現象は自分の意思に関係なく起きてしまうのでしょうから、勾配が緩いか急かはそこまで強い要素ではないのかもしれません。



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