先日・1月15日に、ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸を国土交通省が認めた旨の報知が両者よりありました。
湊線は茨城県庁の所在地・水戸市が南隣りにある、ひたちなか市内のみを走る非電化路線です。
以前は勝田市と那珂湊市というふたつの市に跨がっており、’94年に両市が合併したために14.3km(キロメートル)ある全線がひとつの市内で完結する路線になっています。
(起点の勝田駅から中根駅までが旧勝田市、’14年に開業した高田の鉄橋駅と、那珂湊駅から終点の阿字ヶ浦駅までは旧那珂湊市の市域です。)
長年にわたり茨城交通が鉄道事業者として運行していましたが、’08年に半官半民の出資(いわゆる”第三セクター”化)によりひたちなか海浜鉄道に営業が移管され現在に至ります。
さて、上述のリリースのうち、図表を用いて詳しく示しているのは国交省のほうです。↓
湊線延伸の事業許可取得について | ひたちなか海浜鉄道株式会社
http://www.hitachinaka-rail.co.jp/blog/2021/01/15/7428.html
報道発表資料:ひたちなか海浜鉄道(株)湊線の第一種鉄道事業許可について – 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo03_hh_000091.html
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001382741.pdf
延伸される3.1キロが具体的にどのあたりを走るのかと設置される駅のロケーションとが気になるのですがウェブ上には現状、この国交省のリリースのほかに確たる情報がありません。
https://www.google.com/maps/@36.3876285,140.6114267,17z
https://www.google.com/maps/@36.3876285,140.6114267,817m/data=!3m1!1e3
とりわけ不思議なのが、現時点における終着駅である阿字ヶ浦駅から(仮称)新駅1駅までの数百メートルのルートです。
単線の線路を敷設するだけの空間はGoogle マップの地図、航空写真、のどちらを見ても確保されているようには見えず、他人の所有であろう構造物をこれから撤去しないかぎりは先へ進めなさそうなのです。
前掲の国交省の資料より類推すると、新駅1駅はこのあたりにできることになります。
阿字ヶ浦駅からは1キロあるかないかといった地点であるほか、周囲は林とコンテナを倉庫として使用しているらしきものぐらいしかなく、この場所に駅を設ける意義がよくわかりません。
これがもし、(延長する区間のルートを示す、同資料の赤い破線が描かれているのが)もうちょっとだけ海側で、岸辺に近いロケーションに駅ができるのならば合点はいきます。
阿字ヶ浦海水浴場の北部へのアクセスが、現状の最寄りである阿字ヶ浦駅よりもかなり好都合につき、集客も期待できそうな位置になるからです。
阿字ヶ浦海水浴場と阿字ヶ浦駅とのあいだが現状、近所でも数百メートルほど離れていますので、延伸によって新設されるという途中の駅がその利便性の改善に役立ってほしいところです。
新駅1駅が地平に設けられるほかは、新設の全区間が盛り土ないし高架や橋梁により構成されます。
途中にて横切る県道や常陸那珂有料道路との交差部分は橋梁になるのでしょう。
延伸区間の終点となる、(仮称)新駅2駅の附近です。
中央のやや右奥にはコストコホールセールジャパンの店舗である大きな倉庫(ひたちなか倉庫店)が見えます。(画角に収まってはいませんが)左手方向が国営ひたち海浜公園の西口です。
高さを下げてバリアフリーな地上の駅にはせず、高架駅にするのは(実現の可能性が大きいか小さいかはともかく)路線をさらに延長する場合を念頭に入れているのだと思います。
海水浴場、海浜公園やその周辺の商業施設へのアクセスに延伸が効果的に奏功するといいですね。
コメント