正しくない認識のほうがウェブ上の日本語のサイツの主流のようなので、その実状を変えるべくリリースするのが今回のエントリです。
国際線の航空券を予約するにあたり、目的地(往路の到着地や復路の出発地)のほかにどこかを経由する場合、その経由する場所に滞在できる時間には、条件があります。
英語でStopover、日本語で途中降機と訳される滞在をふくむ旅程が組めるかどうかが要点のひとつとなってくるのですが、このストップオーバーとは、”24時間を超える滞在”のことです。
超える、ですから、滞在時間がちょうど24時間のケースは、途中降機にはなりません。
言葉の定義は、航空会社の団体であるIATA(国際航空運送協会)が決めています。
公式サイトからではありませんが、引用しましょうか。
IATA Ticketing Handbook
https://www.travelready.org/PDF%20Files/IATA%20-%20Ticketing%20Handbook.pdf
https://www.travelready.org/PDF%20Files/IATA%20-%20Ticketing%20Handbook.pdf
“Stopover — when a passenger arrives at an intermediate point and is scheduled to depart later than 24 hours after arrival (local time).”
――とあります。
到着から24時間を超えて出発、がdepart later than 24 hours after arrivalの適切な訳ですよね。24時間きっかりは、ふくめません。
(”scheduled to depart”とありますので、実際の滞在時間がフライトの遅延かなにかにより24時間を超えたとしてもチケットが無効になるわけではありません。)
ストップオーバー、途中降機、などと日本語で検索窓に打ってみると現状、誤っている定義(の和訳)ばかりが上位にサジェストされます。
英語から日本語に厳密に変換できないのか、以上と超の区別がつけられないのか(、その両方か)はわかりませんが、(前者はともかく)未満とか以下とか以上という言葉は小学校の中学年で習うはずです。
――勉強は軽視しないほうがいいことがありのままに出ている実例だと私は思います。
個人による私的なサイトの誤りはまだ許せますが、プロである旅行会社の公式サイトですら正確に記せていないものが多く、なんとも残念な話です。
もっとも、彼らの仕入れ先が以下のような有様ではしょうがないのかもしれません。↓
大手のキャリアのひとつ・日本航空が両方の解釈を載せているのだからどちらも正しい、などといったことはないでしょう。
ルールを定めるのはJALをはじめとした一航空会社ではなく、IATAだからです。
なお、冒頭の写真の書籍は、中央書院という版元が出していた総合旅行管理者試験合格ハンドブックという本です。
総合旅行業務取扱管理者の資格を取得するための参考書として、緻密で有用でした(が、出版社は倒産してしまいました)。
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