韓国・KORAILの長距離列車では立席券で空席に座ってはいけないの?

未分類 鉄軌道/railroad railway

結論を先に述べれば”わからない”ということになりますが、調べてもはっきりとはせずよくわからない旨を疑問として見出しにしたのが今回のエントリです。

私が本件に興味を持ったのは、韓国の北東部の江陵(カンヌン)からソウル市内まで高速列車のKTX山川(サンチョン)に乗車したときの実体験がきっかけです。

それは3年前・’18年の2月のことで、冬のスポーツの世界的なイベントが平昌(ピョンチャン)を中心とした同国内の数か所にて開催されていたため観客らの輸送で混雑していた時分でした。

その日の夜遅くに江陵駅を発つ列車でソウルへ移動しようとしたものの、どの列車も満席につき乗車券が買えません。
そのような状況下、ソウル駅が終着の列車がすべて出たあとの清凉里(チョンニャンニ)駅どまりの最終列車にわずかな立席乗車券の枠が一瞬ながら発生したのです。
勝手知ったるソウル市内までは到達したい、との考えから迷わず購入します。

実際の券面――といってもレシート様の感熱紙ですが――には、”指定 号車 乗車”(지정 호차 승차)という文言と、特室(1等車)は利用できないことが明記されています。
空席があるなら適当に座りたいのですが、チケットにそんな記載はありません。
ウェブ上の個人による報告によると各号車の補助席には座れる、とのことのようですがその旨の印字すらないのです。
しかし。

車内には空席が、探せばこの日のその最終列車にはいくつもありました。
推測するに、同国外からの旅客を対象にした乗り放題のパスのホルダーが、座席の指定は取ったものの実際には乗らなかった、というケースが多かったためでしょう。

“禁じられていなければなにをやってもいい”といった発想は近隣の、どこかの大陸の住民のお家芸となんら変わらず(だから世界の各地で疎まれるのです)、できるだけ私も遠慮したいところではあります。
とはいえ、せっかく空席があるのに2時間弱を立ったままでいるのは私には耐えられず結局、このときは座ることにしました。

私のこうした行為について、運送の契約上の可否はどうなのでしょう。

여객운송약관 및 부속약관
http://info.korail.com/mbs/www/subview.jsp?id=www_070100000000

Stipulation_2019.pdf
http://info.korail.com/upload/contents/www/data/www_070100000000/Stipulation_2019.pdf

ウェブ上にある、KORAIL(韓国鉄道公社)の旅客運送約款を乗車後に念のため読んでみましたが、立席券で任意の空席に座ることができる、とは記されていません。

それでは実際の運用上はどうなのか?が気になるところですが残念なことに、乗務員による検札がないまま終点に着きました。
通路に乗客があふれるほどの乗車率でもなく、物理的に検札が不可能な状況ではなかったのに、ですよ。
契約上の是非はともかく、現場の可否の判断はどうなのかを知ることができるいい機会だと期待していたのですが、わからずじまいで終わってしまいました。
ゆえに、冒頭の結論となった次第です。

ちなみに、日本のJR(のうち旅客鉄道6社)の立席のチケットには、”立席特急券では着席できません”と記されていたり、運用が例外的な東北新幹線の盛岡駅よりも北と北海道新幹線の区間においては”当日の普通車空席にお座り下さい”という文言があったり、と券面上の記載もほぼ明白です。
もっとも、各社の旅客営業規則にはその、着席の可否について言及した条文はありませんのでこのあたりはKORAILの事情と類似しています。



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