概要篇・平日に大阪市内から名古屋駅へ近鉄の2本の急行で

未分類 鉄軌道/railroad railway

速達型のひのとり、主要駅停車型を担うようになったアーバンライナー、のいずれも大阪と名古屋とのあいだを快適に移動できて便利な近鉄の特急列車なのですが、特急料金が必要です。
出費を運賃だけで収めようとするなら時間はかかりますが、2本の急行列車で移動することになります。

ただし、特急以外の大阪線の列車は写真の大阪難波駅にはやって来ず、起点の大阪上本町駅が西端です。
大阪上本町駅や、同一のプラットホーム上で乗りかえられる鶴橋駅を利用しましょう。

本稿では一例として、平日ダイヤの運転日に大阪市内から名古屋まで東へ進む場合をベースに特急を使わない両都市間の近鉄線の移動について説明します。

  • ダイヤグラム

運賃のほかに料金がかかる特急列車を除外した、大阪上本町駅から伊勢中川駅(三重県松阪市)までを直通する全列車、伊勢中川駅から近鉄名古屋駅までを直通する全列車を以下に示します。
種別は、大半が急行です。
快速急行、普通が何本かありますが、その場合は右端に快速急行、普通と打ちました。

近鉄大阪線 平日下り 大阪上本町→伊勢中川
近鉄名古屋線 平日 伊勢中川→近鉄名古屋

              中川 5:30→ 6:54名古屋
              中川 5:49→ 7:14名古屋
              中川 5:58→ 7:23名古屋
              中川 6:10→ 7:35名古屋
              中川 6:27→ 7:49名古屋
              中川 6:36→ 8:06名古屋
              中川 6:50→ 8:22名古屋
              中川 6:58→ 9:18名古屋 普通
              中川 7:04→ 8:29名古屋
              中川 7:10→ 8:40名古屋
上本町 5:38→ 7:22中川
              中川 7:23→ 8:52名古屋
              中川 7:38→ 9:09名古屋
              中川 7:41→ 9:59名古屋 普通
              中川 7:59→ 9:25名古屋
上本町 6:28→ 8:22中川
              中川 8:25→ 9:45名古屋
              中川 8:41→10:04名古屋
上本町 7:06→ 9:02中川
              中川 9:04→10:24名古屋
              中川 9:23→10:45名古屋
上本町 7:31→ 9:28中川
              中川 9:40→11:04名古屋
              中川10:02→11:25名古屋
              中川10:23→11:45名古屋
上本町 8:30→10:29中川
上本町 8:54→10:40中川               快速急行
              中川10:41→12:04名古屋
              中川11:02→12:26名古屋
              中川11:23→12:43名古屋
上本町 9:31→11:25中川
              中川11:41→13:04名古屋
              中川12:01→13:26名古屋
              中川12:23→13:43名古屋
上本町10:28→12:25中川
              中川12:41→14:04名古屋
              中川13:01→14:26名古屋
              中川13:23→14:43名古屋
上本町11:28→13:27中川
              中川13:41→15:04名古屋
              中川14:01→15:26名古屋
              中川14:23→15:43名古屋
上本町12:28→14:27中川
              中川14:41→16:04名古屋
              中川15:01→16:24名古屋
              中川15:23→16:45名古屋
上本町13:28→15:27中川
              中川15:41→17:04名古屋
              中川16:02→17:26名古屋
              中川16:23→17:50名古屋
上本町14:28→16:28中川
              中川16:49→18:06名古屋
              中川17:04→18:25名古屋
上本町15:11→17:07中川
              中川17:16→19:33名古屋 普通
              中川17:24→18:49名古屋
上本町15:51→17:45中川
              中川17:49→19:06名古屋
              中川17:56→20:12名古屋 普通
              中川18:04→19:26名古屋
上本町16:27→18:23中川
              中川18:24→19:44名古屋
              中川18:39→20:06名古屋
上本町17:01→18:49中川
              中川18:53→21:15名古屋 普通
              中川18:59→20:21名古屋
              中川19:17→20:34名古屋
上本町17:38→19:28中川
              中川19:29→20:55名古屋
              中川19:44→21:07名古屋
              中川20:05→21:27名古屋
              中川20:24→21:43名古屋
上本町18:53→20:33中川               快速急行
              中川20:54→22:12名古屋
上本町19:38→21:21中川               快速急行
              中川21:22→22:39名古屋
上本町20:08→21:50中川               快速急行
              中川21:54→23:12名古屋
              中川22:18→ 0:11名古屋 普通
上本町20:36→22:26中川
              中川22:27→23:42名古屋

(特記のない列車の種別はすべて急行です。)

    • 近鉄大阪線を走破する急行や快速急行

近鉄大阪線には布引山地の青山峠を越える区間があり、客足がまばらなのにあわせ走破する急行列車も日中の時間帯だと毎時1本のみ、とわずかなことに注意が必要です。
タイミングによっては、直通する大阪線の急行や快速急行のつぎの列車まで1時間を超えて待たなければなりません。
(ちなみに、東進する列車には上掲のように快速急行が何本かあるのに対し西進する列車で伊勢中川駅から大阪上本町駅までを完走する快速急行は皆無です。)

    • 近鉄名古屋線を走破する急行

大阪線の1本の急行(または快速急行の)列車に対して近鉄名古屋線の急行は少なくとも1本、日中は3本、多いときで4本もあります。
基本的には毎時3本、夜の本数が少なめになる時間帯は毎時2本かそれ以下の運転です。

    • 伊勢中川駅における大阪方面と名古屋方面の急行の接続

伊勢中川駅まで直通する大阪線の急行列車に乗れば、対応する名古屋線の急行列車がどのタイミングでも確実に存在するのがポイントで(、これは逆方向の西へ進む場合も同様で)す。
時刻表は示しませんが、土休日ダイヤだと大阪線を走破する急行列車の運転は6時台以降になること、反対に名古屋から大阪へ急行列車のみで向かう場合は19時台に近鉄名古屋駅を発たないと伊勢中川駅において大阪へ直通する急行列車の接続はなくなること、も追記しておきます。
(平日と土曜日の早朝に運転される、伊勢志摩お魚図鑑の列車だけは例外と考えてください。)

  • 所要時間

所要時間は、どんなに短くても3時間を超えます。
JRの東海道線を新快速や普通列車などで移動する場合は名阪間、阪名間にかかる標準は2時間40分強ですから、近鉄の急行列車を使うとそれよりも確実に長めに要すことを覚悟しましょう。
(近鉄経由だと道中に特急の通過待ちが何度もあるので自明の差でもあります。)
道のりはどちらも約190km(キロメートル)、とほぼおなじ距離です。

  • 運賃や価格
    • 普通乗車券の運賃

大阪難波、近鉄日本橋、大阪上本町、鶴橋の各駅から近鉄名古屋駅まで、運賃はいずれも2,860円(大人、2023年7月現在)です。
大阪駅から名古屋駅までJRの東海道線や新幹線を使うと3,410円(同上)ですので、安く移動したいなら近鉄、という結論になると思います。
ただし、JRの101キロ以上の普通乗車券では原則として途中の駅にて改札口の外に出るのが可能なのに対し、近鉄には途中下車の制度は(廃止されたため)ありません。

    • 普通乗車券以外の価格

なお、阪名東の繁華街を中心に金券ショップにおいて近鉄グループホールディングスの株主向けの一度きりの全線券(近畿日本鉄道線沿線招待乗車券、株主優待乗車券)が売られていますが、ここ最近の相場は2,000円かそれ以下といったところです。
COVID-19のパンデミック前には1,500円程度で推移していたのが、移動の需要が回復したりJRが普通回数券の発売をやめたり今春(2023年4月)に近鉄の運賃が改定されたりにあわせて価格も上がっています。

2days_free.pdf
https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/2days_free.pdf

近鉄週末フリーパス|その他のお得なきっぷ|観光・おでかけ|近畿日本鉄道
https://www.kintetsu.co.jp/senden/Railway/Ticket/weekend_free/

また、(JRに青春18きっぷが存在するように)期日を限定したフリータイプのきっぷ(企画乗車券)を近鉄も発売しています。
近鉄全線2日間フリーきっぷは先月・2023年6月中の連続する二日間に近鉄全線に何度も乗降できたきっぷで、大人3,000円でした。
近鉄週末フリーパスは金曜日から日曜日まで、土曜日から月曜日まで、のどちらかで近鉄全線に何度も乗降できるきっぷで、大人4,400円です。
日帰りや2、3日のうちに往復するならそういったきっぷを使うのもいいでしょう(し、いずれのきっぷも青春18きっぷとはちがい料金を支払えば特急列車にも乗れます)。

  • 車両

大阪線を完走する急行や快速急行には、基本的にいわゆるロングシートの車両が充当されるものと考えてください。

対して名古屋線の急行は、(阪名間、名阪間を特急を使わず当日中に移動する場合に乗ることになる)すべての列車が6両(2+4両)編成です。
名古屋方の2両がロングシートの4扉車、中川方の4両がクロスシートの3扉車になります。
後者については転換クロスシートだったり、座席が前向きに固定され転換はできないクロスシートだったりします。

このあたりの事情は(大阪口の普通電車に乗りさえしなければ)絶対に転換クロスシートの車両がやって来るJRの東海道線とは対照的で、”近鉄だと全区間をロングシートで移動することが可能”と表現してもいいでしょう。

では、実際に特急列車に乗らずに大阪市内から近鉄名古屋駅まで2本の急行列車を使うとどのような旅行になるのでしょうか。
実乗の一例を追って投稿したいと考えています。



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